不動産会社のAI検索対策|20代の半数がAIで住まい探しする今、出す情報 — シクミル | シクミカ.ラボHow To
不動産会社のAI検索対策|20代の半数がAIで住まい探しする今、出す情報
「AI検索対策」「AIに選ばれる会社」。
こうした言葉を見かけて、うちも何か手を打たないといけないのかと気になっている社長もいるかもしれません。
ポータルの掲載料は毎月かかるのに、自社のホームページは何年も手を付けていない。
そこへAIの話まで来て、何から直せばいいのか分からなくなります。
先に結論を書きます。
AIのための特別な仕掛けを探す前に、お客様が担当者に聞くことを、聞かれる前に自社のページに書いておく。
AIで下調べする人にも、店を選ぶ人にも届く、外れの少ない手です。
この記事では、住まい探しとAIの最新の数字を確かめます。
そのうえで、何を書き、ホームページのどこを整えればよいかを順に説明します。
目次
住まい探しにAIはどれくらい使われているのか
全宅連と全宅保証が2026年9月に公表した「2026年住宅居住白書」に、はっきりした数字が出ています。
全国の20〜65歳の5,000人を対象にしたインターネット調査です。
住まい探しにChatGPTやGeminiなどの生成AIを使ったことがある人は、33.9%でした。
年代別では、20代が53.4%、30代が42.3%です。
20代では、半数を超える人が住まい探しにAIを使ったことがあります。
では、AIで何を調べているのか。
AIを使ったことがある人(1,695人)の使い道で、最も多いのは「希望エリアの地域情報の収集・比較」で33.5%でした。
「専門用語の解説・意味調べ」(28.4%)や「物件情報のメリット・デメリットの整理・比較」(27.6%)も続きます。
物件の比較にも使われていますが、いちばん多いのは街の下調べです。
一方で、店選びの数字は様子が違います。
不動産店を選ぶときに最も重視することを1つだけ聞いた質問では、「担当者」が25.0%で最多でした。
次が「ネット情報や口コミなどでの評判」で18.7%。
「生成AIからの提案」は3.9%でした。

今の住まいを探した方法(複数回答)でも、「生成AIからの提案」を挙げた人は3.8%です。
これはAIが広まる前に引っ越した人も含む数字です。
上位は「SUUMO」の20.9%と、「不動産会社からの提案・紹介」の13.6%でした。
白書の結びには、生成AIによる情報収集が広がっても、不動産会社の中心的な役割は変わらない、という趣旨が書かれています。
その役割とは、「注意点を含めて正直に伝え、専門的な内容をわかりやすく説明し、個別の事情に沿って支援すること」です。
AIは街や言葉の下調べに広く使われている。
けれど、店を選ぶときに重視されるのは、今も担当者と評判が上位。
この記事は、この2つの数字を土台に進めます。

出典:全宅連・全宅保証「2026年住宅居住白書」(2026年9月公表、調査期間2026年7月30日〜8月5日、20〜65歳の男女5,000人)PDF
なぜ「AI対策」で迷ってしまうのか
AI対策には、「LLMO」「AEO」といった新しい呼び名がついています。
どちらも、AIの回答に自社が取り上げられるための対策を指す言葉です。
聞き慣れない言葉が並ぶと、専門の業者に頼まないとできない特別な作業に見えてきます。
もう1つの迷いは、「物件数では大手にかなわない」という思い込みです。
ポータルや大手の自社サイトは、物件の数で圧倒的です。
同じ土俵でAIに取り上げてもらおうとすると、勝ち目がないように感じます。
ところが、Googleの公式の案内は拍子抜けするほど素直です。
対象は、Google検索の上に出るAIのまとめ「AIによる概要」と、AIと対話しながら調べる「AIモード」です。
これらに載るために「追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もありません」と書かれています。
求められているのは、人の役に立つ、信頼できる内容を書くこと。
AIが出てくる前から変わらない話です。
出典:Google検索セントラル「AI機能とウェブサイト」(2025年12月更新)ページ
判断基準は1つ:お客様が担当者に聞くことを、聞かれる前に書いているか
AI対策で迷ったら、この1つだけを見てください。
お客様が担当者に聞くことを、聞かれる前に自社のページに書いているか。
1つ目は、AIで調べる人が知りたいのが、その情報だからです。
先ほどの白書のとおり、AIの使い道で最も多いのは地域の下調べでした。
「この駅の周りは子育てしやすいか」「この地域の相場はどれくらいか」。
こうした質問への答えが自社のページに書いてあれば、AIが答えを作るときの材料になり得ます。
書いていなければ、材料にはなりません。
2つ目は、同じ情報が、店を選ぶ人の判断材料にもなるからです。
「どんな人が担当してくれるのか」も、お客様がよく聞くことの1つです。
担当者の顔や得意なこと、過去の相談の例が書いてあれば、問い合わせる前に「この人に相談したい」と思ってもらえます。
ポータルに載っているのは物件の情報です。
地域の暮らしや相談でよくある注意点には、地元で日々対応している担当者の経験を添えられます。
物件数ではなく、情報の具体性で違いを出せる理由が、ここにあります。

何を書くか:大手と物件数で競わない5つの情報
書く情報は、次の5つに絞ります。
「何を書けばいいか分からない」ときは、この順で考えると進めやすくなります。
1. 対応している地域
市の名前だけで済ませず、駅名や町名まで具体的に書きます。
その地域の暮らしの情報(スーパー、学校、坂の多さなど)を、担当者の言葉で添えます。
2. 得意な分野
単身向けの賃貸、ファミリーの住み替え、相続した家の売却など、多く扱っている相談を書きます。
得意なことが絞られているほど、お客様は自分に合う会社か判断できます。
3. 相談の事例
「転勤で急いで部屋を探していた方に、こう提案した」のような、実際の相談の流れです。
お客様の許可を取り、名前や場所が特定されない形で書きます。
4. 担当者の情報
顔写真、経歴、資格、得意な地域です。
店選びで最も重視されるのが担当者なので、ここを空けておくのはもったいない部分です。
5. 判断の根拠
「この地域で家賃が上がりやすい理由」「築年数で何が変わるか」など、担当者がふだん口で説明していることです。
注意点も含めて書くと、正直に伝える会社だと伝わります。
相場や学校・施設の情報には、参照元と確認日を添えます。
担当者の感想は、確かめられる事実と分けて書きます。
想定例:よく聞かれる質問から、載せる情報を決める
ここからは想定例です。実在の会社の例ではありません。
駅前で賃貸仲介をしている5名の会社を思い浮かべてください。
| お客様がよく聞くこと | 載せる情報 | 当てはまる項目 |
|---|
| 〇〇駅の周りは子育てしやすい? | 保育園・公園・病院までの距離、担当者が感じる街の雰囲気 | 1. 対応地域 |
| 初めての一人暮らしで何に気をつける? | 初期費用の内訳、契約で確かめる点 | 5. 判断の根拠 |
| ペット可の物件は多い? | この地域で扱ったペット相談の例 | 3. 相談の事例 |
| どんな人が担当してくれる? | 担当者の紹介ページ | 4. 担当者 |
| 法人の社宅探しもできる? | 法人対応の流れ | 2. 得意な分野 |
左の列は、カウンターや電話で毎週のように聞かれていることのはずです。
まずは担当者にこの列を書き出してもらうと、ページの中身が自然に決まります。
AI検索で拾われるために、ホームページで整えること
書く中身が決まったら、それがAIや検索にきちんと届く状態かを確かめます。
ここで挙げるのは、GoogleとOpenAI(ChatGPTを運営する会社)が公式に案内していることです。
どれも、載ることを保証するものではありません。
載らない原因を取り除くための作業、と考えてください。
1. 検索の仕組みに読まれる状態にしておく
検索エンジンやAIは、「クローラー」というプログラムでページを読みに来ます。
ホームページの設定ファイル(robots.txt)で断っていると、良い内容を書いても届きません。
ChatGPTの検索では、OpenAIの「OAI-SearchBot」というクローラーが使われています。
OpenAIは、ChatGPTの検索結果に表示されたいサイトに、このクローラーを許可するよう勧めています。
断っているサイトは、ChatGPTの検索の回答には表示されないと書かれています。
サイトへのリンクとして出ることはある、とも添えられています。
なお、OpenAIには学習用の「GPTBot」という別のクローラーもあります。
検索に出ることと、AIの学習に使わせることは、別々に設定できます。
自社でどうなっているかは、ホームページのアドレスの後ろに「/robots.txt」を付けて開くと確かめられます。
中身の読み方が分からなければ、制作会社か、使っているホームページ作成サービスの窓口に聞いてみてください。
あわせて、検索に出さない設定が残っていないか、Googleにページが登録されているかも確認してもらいます。
Googleも、ページがインデックス(検索の登録簿)に登録され、検索結果に説明文を出せる状態であることを条件に挙げています。
出典:OpenAI「Overview of OpenAI Crawlers」ページ
2. 大事な情報は文字で書く
ここから3つ目までと5つ目は、先ほどのGoogle「AI機能とウェブサイト」の案内に沿ったものです。
Googleは、重要な内容はテキスト(文字)で示すよう案内しています。
物件チラシや店舗の案内を、画像やPDFだけで載せていませんか。
それでは、文字として読み取られにくくなります。
対応地域や担当者の紹介は、ページの本文に文字で書き、写真は説明を補うものとして添えます。
3. ページ同士をリンクでつなぐ
新しく作った地域のページや担当者のページが、どこからもリンクされていないと、見つけてもらえません。
Googleも、サイト内のリンクから簡単に見つけられるようにすることを勧めています。
トップページやメニューから、新しいページへたどれるようにしておきます。
4. Googleビジネスプロフィールを埋める
地図やローカル検索に出る店舗情報が、Googleビジネスプロフィールです。
Googleは、AIによる概要に関する案内の中でも、この情報を最新にしておくよう求めています。
ローカル検索の順位は、主に「関連性」「距離」「知名度」で決まるとGoogleは説明しています。
そのうえで勧めているのは、次のようなことです。
- できるだけ多くのビジネス情報を入れる
- 特別営業時間を含めて、営業時間を書く
- 写真や動画を載せる
- クチコミに返信する
お金を払って順位を上げることはできない、とも明記されています。
もう1つ、Googleの案内ではない一般的な工夫として、会社名・住所・電話番号の書き方をそろえておきます。
ホームページとプロフィールで表記が違うと、お客様が同じ会社か迷うおそれがあるためです。
出典:Googleビジネスプロフィール ヘルプ「Googleのローカル検索結果のランキングを改善するヒント」ページ
5. 構造化データは、見えている内容と合わせる
構造化データとは、「これは会社名」「これは住所」と、ページの中身を検索エンジン向けに書き添える仕組みです。
Googleは、AI機能のために特別な構造化データは要らないとしています。
使う場合は、ページに表示されている文字と一致させるよう求めています。
制作会社に任せているなら、住所や営業時間の構造化データが今の表示と合っているかを聞いてみてください。
AI向けの専用ファイルを新しく作る必要もない、とGoogleは書いています。
「AI専用のファイルを置けば選ばれる」といった提案は、いったん立ち止まって考えてよい部分です。
避けたいこと
AIに向けただけの文章を書く
キーワードを詰め込んだり、同じ地名を何度も並べたりした文章は、読む人に不親切です。
Googleが求めているのは、人の役に立つ内容です。
お客様が読んで分かりやすいかを基準にしてください。
作った事例や口コミを載せる
実際にない相談事例や、身内に書かせた口コミ、特典と引き換えに書いてもらった口コミは、信頼を一度で失います。
事例は、お客様の許可を取った本物だけにします。
物件数で大手と競おうとする
物件の掲載はポータルが得意な分野です。
自社のページは、担当者の経験を添えた地域と相談の情報に使います。
一度に全部やろうとする
5つの情報と5つの整備を一気にやろうとすると、更新が止まります。
次の順番で、1つずつ進めてください。
小さく始める順番
- Googleビジネスプロフィールを見直す。
営業時間、写真、カテゴリを最新にし、届いているクチコミに返信します。
店選びで重視される「評判」に関わり、すぐに手を付けられるので最初に置きます。
- よく聞かれる質問を書き出す。
担当者に、最近1か月で聞かれたことを10個挙げてもらいます。
- 担当者の紹介ページを作る。
顔写真と、得意な地域・分野だけでも十分です。
- いちばん多く扱う地域のページを1枚作る。
書き出した質問への答えを、その地域の情報として書きます。
- ホームページの設定を確かめる。
クローラーを断っていないか、新しいページにリンクがあるかを見ます。
ページを作ったら、問い合わせの電話やフォームで「何を見てご連絡いただきましたか」と聞くようにしてください。
問い合わせのきっかけは、こちらから聞いて記録しておきます。
検索やAIに反映されるまでにも時間がかかります。
すぐに反応がなくても止めず、様子を見ながら2枚目の地域ページを足していきます。
この積み重ねで自社のページからの問い合わせが増えれば、ポータルへの頼り方を少しずつ減らせます。
掲載をすぐにやめるのではなく、自社のページを育ててから見直す、という順番です。
まとめ
住まい探しにAIを使ったことがある人は、20代では半数を超えています。
ただ、AIの使い道で最も多いのは地域の下調べです。
店を選ぶときに重視されるのは、今も担当者と評判が上位です。
だから、AIのための特別な仕掛けを探す前に、お客様が担当者に聞くことを、聞かれる前にページに書いておく。
対応地域、得意な分野、相談の事例、担当者、判断の根拠。
この5つは、物件数で競わなくても、担当者の経験を添えて書けます。
書いた情報が届くように、クローラーを断っていないか、文字で書いているか、ビジネスプロフィールが最新かも確かめておきましょう。
よくある質問
Q. AI検索対策の専門業者に頼む必要はありますか。
A. まず自社でできることが多くあります。
Googleは、AIによる概要に載るための特別な最適化は要らないと案内しています。
業者に頼む前に、担当者が答えていることを書き出すところから始めてください。
Q. ホームページを作り直さないといけませんか。
A. 必ずしも作り直す必要はありません。
今のホームページでページの追加や更新ができるなら、担当者の紹介と地域のページを1枚ずつ足すところから始められます。
Q. ChatGPTに自社が出てくるか、どう確かめればいいですか。
A. ChatGPTなどに「〇〇駅 賃貸 不動産会社」のように聞いてみる方法があります。
ただし、AIの答えは聞き方や時期によって変わります。
1回の結果で良し悪しを決めず、ページを整える前と後で、同じ聞き方を何度か試して比べてください。
Q. ポータルへの掲載はやめてもいいですか。
A. すぐにやめることはおすすめしません。
白書でも、今の住まいを探した方法の上位はSUUMOなどのポータルでした。
自社のページからの問い合わせが増えてきたら、掲載の量や先を見直す、という順番が安全です。
次の一歩
いちばん手間がかかるのは、担当者が口で答えていることを、ページに書ける形に引き出す作業です。
シクミカ.ラボの無料相談では、その引き出し方や、毎月少しずつ書き足していく仕組みづくりを一緒に考えます。
「よく聞かれる質問を書き出してみたが、どうページにすればいいか分からない」という段階からで構いません。
フォームから送っていただくと、担当者からご連絡します。
業務改善のご相談、
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記事の内容について深掘りしたい方も、別件でも歓迎です。