ChatGPTの出力が使えないと感じたら——プロンプトに「この4つ」を加えるだけで変わった

「ChatGPTを使ってみたけど、なんか薄い」「もう少しちゃんとした答えが返ってきてほしい」——そういう声をよく聞きます。 実は使い方を少し変えるだけで、出力の質は大きく変わります。
今回は、私が実際に試して「これで変わった」と感じた4つの追加情報を紹介します。難しい設定は不要です。ChatGPTに送る文章に、一行足すだけです。
「プロンプト」とは?
ChatGPTに送る文章・指示のことを「プロンプト」と呼びます。「メールを書いて」「まとめて」のように打ち込む内容がそれにあたります。この記事では「ChatGPTへの指示文」という意味で使っています。
目次
「使えない」の原因はたいていプロンプト側にある
ChatGPTに「返信メールを作って」と送ったとき、返ってきた文章がなんとなく薄い、あるいは「こういうことを言いたかったんじゃない」と感じたことはありませんか。
これはChatGPTの限界というより、情報が足りていないことが原因です。
ChatGPTは渡された情報をもとに回答を作ります。「返信メールを作って」だけでは、誰に送るのか、どんな状況なのか、どんな文体がいいのか——何もわかりません。結果として、どこでも使えそうな当たり障りない文章が返ってきます。
逆に言えば、情報を足すだけで出力は変わります。
加えると変わる4つのこと
① 自分の立場・状況を書く
ChatGPTは「誰が何の目的で使っているか」を知りません。最初に自分の状況を一文で伝えるだけで、回答の精度が上がります。
足す前のプロンプト:
クレームへの返信メールを作ってください。
足した後:
私は不動産仲介会社の営業担当です。
先日、物件の説明に誤りがあり、お客様からクレームのメールが届きました。
このお客様への返信メールを作ってください。
状況がわかると、「物件説明の誤り」という具体的な内容に合わせた文章が出てきます。
② 読む相手を伝える
同じ「お礼メール」でも、新規のお客様向けと長年の取引先向けでは文体が変わります。「誰に送るか」を書くだけで、トーンが変わります。
足す前のプロンプト:
内見後のお礼メールを作ってください。
足した後:
内見後のお礼メールを作ってください。
相手は初めてお会いする新規のお客様です。
丁寧すぎず、親しみやすい文体にしてください。
「初めて会う新規顧客」という情報が入ると、堅すぎない自然な文章が出てきます。
③ 出力の形と量を指定する
ChatGPTは指定がなければ、自分で適切と判断した形式で出力します。「長すぎる」「もっと箇条書きにしてほしい」と感じたことがあれば、形式を指定するのが一番早い解決策です。
足す前のプロンプト:
新人スタッフ向けの電話対応マニュアルを作ってください。
足した後:
新人スタッフ向けの電話対応マニュアルを作ってください。
A4用紙1枚におさまる分量で、箇条書きにしてください。
見出しは「受け方」「対応中」「終わり方」の3つに分けてください。
形式を決めると、そのまま印刷して渡せるものが出てきます。
④ 「NG・避けてほしいこと」を足す
「こういう表現は避けてほしい」「この内容は入れないでほしい」を書くと、修正回数が減ります。
特に効果的なのが、文体のNGです。
足す前のプロンプト:
施主への工事完了報告メールを作ってください。
足した後:
施主への工事完了報告メールを作ってください。
堅すぎる敬語や「誠に」「拝察」など文語調の表現は避けてください。
読んで温かみが感じられる文体にしてください。
「誠に〜」「拝察いたします」のような文語的な表現が消え、読みやすい文章になります。
4つをまとめて使うとこうなる
4つを一度に書くと、プロンプトは少し長くなります。でも、修正にかかる時間と比べれば十分です。
まとめて使った例:
【状況】
私はコールセンターの管理者です。
オペレーターが対応したクレームについて、翌日お客様にフォローメールを送ります。
【相手】
60代の男性で、昨日電話口でかなり強い口調でご不満を伝えてこられたお客様です。
【形式】
200文字程度、読みやすい段落構成で。
【NG】
謝罪の言葉が重なりすぎないようにしてください。
「重ねてお詫び申し上げます」のような表現は1回まで。
これで出てきた文章は、ほぼそのまま使えるレベルでした。
まとめ
| 足すもの | 効果 |
|---|---|
| ① 自分の立場・状況 | 業種や文脈に合った回答になる |
| ② 読む相手 | トーン・敬語レベルが合う |
| ③ 出力の形と量 | 修正の手間が減る |
| ④ NG・避けてほしいこと | 不要な表現が出てこなくなる |
4つ全部を最初から書く必要はありません。「なんか薄い」と感じたときに、①から順番に一つずつ足してみてください。1つ足すだけでも変わります。
慣れてきたら試したい:出力レベルをさらに上げる2つの視点
4つが身についてきたら、次の2点を加えると出力の質がもう一段上がります。
A. ChatGPT自身に「役割」を持たせる
「私は〇〇です」と自分の立場を書くのとは別に、ChatGPT側に役割を担わせる書き方があります。
あなたは中小企業向けのビジネスメール作成を専門とするライターです。
以下の状況でお客様への返信メールを作成してください。
「あなたは〇〇の専門家です」と一文加えるだけで、出力のトーンや言葉の選び方が変わります。クレーム対応なら「経験豊富なカスタマーサポート担当者」、提案書なら「営業経験10年のコンサルタント」のように、欲しい出力のイメージに近い役割を設定するのがコツです。
B. 読む人の「理解レベル」を指定する
「誰に向けた文章か」は④で伝えますが、さらに「どれくらいの知識がある人向けか」を加えると、専門用語の量や説明の深さがちょうどよく調整されます。
・AIや業務効率化に詳しくない社長が読む文章です。
専門用語を使わず、平易な言葉で書いてください。
・現場のスタッフ向けです。
難しい言い回しは避け、箇条書きで読みやすくしてください。
「専門知識のない人向けに」「現場のスタッフが読む」のように書くだけで、わかりやすさが上がります。逆に「ある程度AIに詳しい読者向け」と書けば、詳細な説明を省いたコンパクトな出力になります。
コピーして使えるテンプレート
4つの視点をそのまま枠にしたテンプレートです。該当する部分だけ埋めて使ってください。全部埋める必要はありません。
【状況・自分の立場】
私は(業種・職種)の(役職・担当)です。
(状況を1〜2文で説明)
【読む相手・使う場面】
(誰が読む?どんな相手?初めての相手か、既存のお客様か)
【出力の形式・量】
(文字数の目安・箇条書き/文章/表など・見出しの有無)
【避けてほしいこと(任意)】
(NGの表現・トーン・内容)
以上をふまえて、(何を作ってほしいか)を作成してください。
このテンプレートをメモ帳やGoogleドキュメントに保存しておくと、毎回一から考えなくて済みます。業務の種類ごとに(クレーム対応用・新規問い合わせ用・社内通知用など)別々に用意しておくと、さらに効率が上がります。
よくある質問
Q. プロンプトが長くなってもいいですか?
大丈夫です。ChatGPTはプロンプトが長くなっても処理できます。むしろ情報が多いほど、意図に近い出力が返ってきます。
Q. 毎回こんなに書くのは面倒ではないですか?
最初に「自社の定型プロンプト」を作っておくと楽になります。「私は〇〇業の〇〇担当です。〇〇向けに〇〇を作ってください。形式は〇〇で」という枠を作っておけば、毎回は数行足すだけで済みます。
Q. Claudeでも同じですか?
基本的な考え方は同じです。状況・相手・形式・NGを伝えると、どちらのツールでも出力の質は上がります。
「プロンプトは書けたけど、何に使えばいいかわからない」という方へ
「使い方はわかった。でも、自社のどの業務に当てはめればいいかが整理できていない」——次の壁はここです。
シクミカ.ラボでは、業務の棚卸しから始めて、AIをどこに・どう使うかを一緒に整理しています。
まずは無料相談から、お気軽にどうぞ。
