【実践】GeminiのGemでシフト管理を半自動化する

「Aさんは休みの日を送ってくる、Bさんは土日と言ってくる、Cさんは出勤できない日を送ってくる——形式がバラバラで、毎月の集計に時間がかかる」そういう状況はありませんか。GeminiのGemを使えば、どんな書き方で送られてきても、AIが統一した形式に整理してくれます。しかも今回作るGemは、スプレッドシートにそのまま貼り付けられる形で出力してくれます。設定手順と、実際に試した結果まで紹介します。
「Gem(ジェム)」とは? Geminiに好きな役割と指示を設定して、専用のAIアシスタントを作れる機能です。一度作れば毎日使い回せます。
目次
- この記事でできること・できないこと
- 必要なものと全体の流れ
- Step 1: スプレッドシートを準備する
- Step 2: Gemを作る
- Step 3: LINEのメッセージをGemに送る
- Step 4: スプレッドシートに反映する
- まとめ
- よくある質問
この記事でできること・できないこと
できること:
- 「休みの日付」「曜日指定」「出勤不可日」——様々な書き方で送られても、Gemが統一した形式に整理する
- カレンダーのスクリーンショット(画像)からも情報を読み取る
- 整理された結果を、スプレッドシートにそのまま貼り付けられる形式(タブ区切り)で出力する
- 複数人分をまとめて1回で処理できる
正直に書く注意点:
GemがスプレッドシートをAI自身で直接書き換えることはできません。
「LINEの内容をGemに渡す」「出てきた結果をスプレッドシートに貼り付ける」という操作は人が行います。とはいえ、今回のGemは1人あたり1行のデータを丸ごと出力するので、貼り付けは基本コピペ1回で済みます。
「全部を全自動でつなぎたい」という場合は、記事の最後で相談窓口を案内しています。
必要なものと全体の流れ
必要なもの:
- Googleアカウント(無料)
全体の流れ:
LINEでシフト希望が届く
↓
GemにLINEのメッセージをコピペ(画像はアップロード)
↓
Gemが1人1行・タブ区切りで整理して出力
↓
スプレッドシートの該当セルを選んで貼り付け(コピペ1回)
Step 1: スプレッドシートを準備する
まず、シフトを書き込む表を用意します。この記事では、あらかじめ作っておいたシフト表を使います。
:完成済みのシフト表(縦にスタッフ名、横に日付1〜31、曜日つき)
このシフト表のポイント:
- 記号は「出・休・有」の3種類(出=出勤、休=公休、有=有給)
- 縦(行)にスタッフ名、横(列)に日付が並んでいる
- 1人目のスタッフの「1日目」のセルが、貼り付けのスタート地点になる
このあとGemが出力するデータは、この「出・休・有」の記号に合わせた形になります。表と記号さえそろっていれば、あとは貼り付けるだけです。
自分で表から作りたい方へ: 日付や曜日を手で31日分入力するのは大変です。「2026年◯月のシフト表を作るGoogleスプレッドシートのApps Scriptを書いて」とGeminiに頼めば、枠組みを自動で作るスクリプトを出してくれます。作り方をもっと詳しく知りたい方は、記事末尾の相談窓口からお問い合わせください。
Step 2: Gemを作る
GeminiのWebサイトからGemを作成します。ここが今回の記事の中心です。
手順:
- gemini.google.com を開く(Gemini Advancedにログインした状態で)
- 左側メニューの⚙️マークからをクリックし、「Gem」を選択
- 「+ Gemマネージャー」「+ Gem を作成」をクリック

- 名前を入力:
例)シフト管理アシスタント
- 指示(カスタム指示)欄に、以下をそのままコピーして貼り付ける:
# あなたの役割
あなたは優秀な「シフト管理アシスタント」です。スタッフから送られてきたシフト希望を解析し、ユーザーが指定するスプレッドシートの形式に合わせてデータを出力します。
# 処理ルール
1. 【初回起動時のヒアリング(最優先ルール)】
チャットが開始されたら(ユーザーから最初のメッセージが送信されたら)、入力された内容に関わらず、解析を始める前に必ず以下の質問リストをそのまま出力してユーザーに回答を求めてください。
---
シフト管理を始める前に、条件と出力形式を確認させてください。
1. 対象となる「年月(例:2026年8月)」を教えてください。
2. シフト情報は「1人ずつ」送りますか?それとも「全員分まとめて」送りますか?
3. 今後、指示にない新しい入力パターンが出てきた場合、カスタム指示をアップデートしますか?それとも手動で補正しますか?
4. 【重要】スプレッドシートに貼り付ける際の「記号」を指定してください。
(例:出勤は「出」、休みは「休」、有給は「有」など、どのように出力するかご希望を教えてください)
---
2. 【入力パターンの解釈】
ユーザーから上記条件の回答を得たあと、実際のシフト情報が入力されたら以下のように処理します。
- 日付指定:「2.3.9.10休み」などの場合、指定された日付を休みと判断します。
- 曜日指定:「土日休み」などの場合、指定された年月のカレンダーを基に、該当するすべての曜日を日付に変換します。
- 出勤不可:「10.29が出勤不可」などの場合、「出勤不可=休み」として扱います。
- スクリーンショット:カレンダー等の画像が送られてきた場合、画像内のテキストやマークから休みの日を正確に特定します。
3. 【カレンダー計算の厳格化】
- 曜日を日付に変換する際は、必ずユーザーから指定された年月の正確なカレンダーを基に計算してください。
4. 【例外対応】
- スタッフの名前が不明な場合、またはシフト情報が曖昧で判断できない場合は、勝手に推測せず「〇〇の部分が分かりませんでした。確認してください」とユーザーに確認を求めてください。
# 出力形式
上記1のヒアリングで決定した「記号(例:出、休)」を用いて、以下のルールを厳守してプレーンテキスト形式で出力してください。
1. **横方向への貼り付けに対応:** 貼り付け先のセルを選択してそのまま貼り付けた際、データが横方向(日付順)に正しく並ぶよう、1日ごとの記号の間は「タブ区切り」で出力してください。
2. **正確なデータ数:** 該当月の日数(30日、31日など)分、途中で行を変えずに、スタッフごとにすべて1行のプレーンテキスト(Plaintextブロック)として出力してください。
3. **解析結果のみを出力:** 解析結果のPlaintextブロックのみを出力し、挨拶や使い方の解説は含めないでください。
- 「保存」をクリック
このGemで何ができるのか(ポイントまとめ):
| 仕組み | 何が起きるか |
|---|---|
| 最初に条件を聞いてくれる | チャットを開くと、年月・送り方・記号などをGemのほうから質問してくれる。毎回ブレない |
| どんな書き方でも解釈する | 「2.3.9休み」「土日休み」「10が出勤不可」など、バラバラな表現を全部同じ形に整理 |
| 曜日を日付に変換 | 「土日休み」を、その月の実際のカレンダーで「7/5、7/6…」に自動変換 |
| 画像も読める | カレンダーのスクショから休みの日を読み取る |
| 貼り付け用の形で出す | 1人1行・タブ区切りで、スプレッドシートにそのまま貼れる |
ここまでで準備は完了です。次から実際に使ってみます。
Step 3: LINEのメッセージをGemに送る
① Gemを開くと、まず質問が返ってくる
「シフト管理アシスタント」を開いて何かメッセージを送ると、Gemのほうから条件確認の質問が返ってきます。ここで次のように答えます。
:** Gemが最初に4つの質問を返してきた画面
- 年月:2026年7月
- 送り方:全員分まとめて
- 記号:出勤は「出」、休みは「休」、有給は「有」
② 10名分のシフト希望をまとめて送ってみる
LINEで集めたメッセージを、そのまままとめて貼り付けて送信します。
〈スタッフA〉
「お疲れ様です!来月の希望です。
休み:4, 10, 15, 20, 25, 30
それ以外はいつでも出勤できます!」
〈スタッフB〉
「Bです。来月は3日、10日、25日はどうしても外せない用事があるので休み(公休)にしてください。それ以外は全部出勤で大丈夫です!」
〈スタッフC〉
「お疲れ様です、Cです。来月の休み希望日です。
【休み】1, 6, 12, 13, 22, 26
それ以外の日は出勤できます。」
〈スタッフD〉
「Dです。来月から学校の都合が変わったので、毎週水曜日(1日, 8日, 15日, 22日, 29日)と、毎週日曜日(5日, 12日, 19日, 26日)は終日入れません。休みでお願いします。他は出勤できます!」
〈スタッフE〉
「お疲れ様です。Eです。24日(金)に有給をいただきたいです。
あと、通常の休み希望は4日、9日、14日、19日、28日でお願いします。他はいつでも出勤します!」
〈スタッフF〉
「Fです。来月ちょっと立て込んでまして、前半(1日〜15日)は11日だけ休みにしてください。後半(16日以降)は16日、21日、26日を休みにしたいです。残りは全部出勤でいけます!」
〈スタッフG〉
「Gです。来月入れない日(休み希望)だけ送ります!
NG日:1日、7日、12日、17日、22日、27日
ここ以外は全部出勤できます!」
〈スタッフH〉
「お疲れ様です、Hです。体調管理のために、できれば『2日連続出勤して1日休み』みたいなサイクルだと嬉しいです……!
絶対に休みたい日は3, 9, 14, 19, 24, 29です。よろしくお願いします!」
〈スタッフI〉
「Iです。希望休です。
2, 8, 13, 18, 23, 28
上記以外は全て出勤できます。よろしくお願いします。」
〈スタッフJ
「Jです!来月15日に有給使いたいです。
あと、11日、16日、21日、26日、31日は休み希望です。
それと、できれば土日は全部出勤にしてもらえると助かります!(平日に休みたいので)」
:** 10名分のシフト希望をまとめてGemに送ったところ
すると、1人1行・タブ区切りのテキストがまとめて出力されます(下は形式のイメージです。実際は各行が右に31日分続きます)。
:Gemがタブ区切りで10名分を出力した画面
③ 画像(スクリーンショット)でも試してみる
テキストだけでなく、カレンダー画像でもちゃんと読み取れるか試します。
- Gemの入力欄の「画像アイコン」をクリック(またはドラッグ&ドロップ)
- カレンダーのスクリーンショットをアップロード
- 「〇〇さんのシフトです。✖️がついている日が休みになります。」と一言添えて送信
画像内の日付やマークから休みの日を読み取り、テキストのときと同じ形式で出力してくれます。

補足: 画質が低すぎる場合や手書きのカレンダーは、読み取り精度が下がることがあります。その場合はGemが「確認できませんでした」と返してくれるので、テキストで入力し直してください。
Step 4: スプレッドシートに反映する
Gemの出力は「そのまま貼り付けられる形」になっているので、転記はとても簡単です。
手順:
- Gemが出力したテキスト(Plaintextブロック)をコピーする
- スプレッドシートを開き、スタッフAのセルをクリックして選ぶ
- そのまま貼り付け(Ctrl+V / ⌘+V)
タブ区切りのおかげで、記号が1日ずつ横のセルに自動で並びます。全員分まとめて出力した場合は、1人目の1日目のセルを選んで貼り付ければ、人数分がまとめて入ります。
:** 貼り付け後、シフト表が「出・休・有」で埋まった状態
補足: 貼り付けたセルに赤い三角の警告が出ることがありますが、記号が「出・休・有」で合っていれば中身は正しく入っています。気になる場合は入力規則(プルダウン)を外して運用しても構いません。
ここまでで「集める→整理する→貼り付ける」が一気に速くなります。
ただし、この方法でも「LINEの内容をGemに渡す」「出力をスプレッドシートに貼る」という操作は人の手で行っています。LINE受信からスプレッドシートへの転記まで丸ごと自動でつなぎたい、という場合は、記事末尾の相談窓口からお気軽にご相談ください。
まとめ
| ステップ | やること |
|---|---|
| Step 1 | 「出・休・有」で記入するシフト表を用意する |
| Step 2 | Geminiで「シフト管理アシスタント」Gemを作成する |
| Step 3 | LINEのメッセージ(や画像)をGemに送って整理させる |
| Step 4 | Gemの出力をスプレッドシートにそのまま貼り付ける |
バラバラな形式で送られてくるシフト情報を、Gemが毎回統一した形に整理し、そのまま貼り付けられる形で出してくれます。一度Gemを作ってしまえば毎月使い回せるため、設定は最初の1回だけです。
よくある質問
Q. 画像(スクリーンショット)は本当に読み取れますか?
はい。Geminiは画像の内容を解析できるため、カレンダーの画像を送ると日付や色・マークを読み取って休みの日を出力します。ただし手書きのカレンダーや画質が非常に低い画像は精度が落ちる場合があります。
Q. 貼り付けたら記号が横にずれて並びません。
Gemの出力が「タブ区切り」になっているか確認してください。範囲を広く選んでから貼ると、ずれることがあります。
Q. 曜日指定(「土日休み」)は正確に計算してもらえますか?
会話の最初にGemが年月を質問してくるので、そこで「2026年7月」と答えれば、その月のカレンダーで曜日を計算して日付に変換してくれます。年月を伝えないと計算できないため、必ず最初に答えてください。
Q. スプレッドシートへの転記を完全に自動化することはできますか?
GemのみではスプレッドシートをAIが直接書き換えることはできません。LINE受信から転記までを全自動でつなぐなど、仕組みづくりから相談したい方は、下記の窓口へどうぞ。
シフト管理の「集める・整理する」以外の部分も仕組み化したい方へ
シフトの集計が速くなっても、人員配置の決め方、休日変更の連絡、当日の欠員対応、そしてLINEからスプレッドシートへの転記そのもの——こういった部分が属人化・手作業のままだと、別のところで時間がかかり続けます。シクミカ.ラボでは、業務の現状をお聞きしたうえで、AIと仕組みの両面から改善策を一緒に整理し、必要に応じて自動化の仕組みづくりまでお手伝いします。
まずは無料相談から、お気軽にどうぞ。
:完成済みのシフト表(縦にスタッフ名、横に日付1〜31、曜日つき)
:** Gemが最初に4つの質問を返してきた画面
:** 貼り付け後、シフト表が「出・休・有」で埋まった状態